複合パス 〜パスをパスでくり抜く

 今回は、複合パスについてご説明します。

 複合パスとは何か?となると、『パスをパスでくり抜いたもの』と言えるでしょう。比較的基本的な、イラストレーションの中では有用な作画方法なので、是非早い内に覚えておきたい項目の一つです。『パスファインダ』や『パスのアウトライン』といった手法を使用した場合、複合パスがかなりの場合で発生します。パスファインダ等については今後ご説明する事になりますが、複合パスは重要な物だと気にしてもらえればと思います。

 ではまず、下図を見て下さい。

複合パスの例
 パレットの中身には『複合パス』という1つのオブジェクトが存在しています。

 上図のような図形を描くにはどうすればいいでしょう?実はいくつかの方法がありますが、その内1つの例と問題点、そして複合パスの場合をご紹介します。

画像
説明
 ひとつの一番簡単な方法は、『2つのパスを重ねて配置する』というだけです。これは意識しないで通常やっている事ではありますが、『背面にある図が見えない』という状態になります。
 左の画像では『緑の正方形の上に白のパス』を配置しております。背面にある図が真っ白だったら問題ありませんが、そうでない場合はこの方法では回避できません。
 そこで、複合パスを使う事で、『パスでパスをくり抜く』を実現できます

 レイヤーパレットを見ると『複合パス』という一つのオブジェクトができています。2つのパスが1つにまとまっている状態です。

 今回はこの『複合パス』について簡単ですがご説明します。

 作成する方法はとても簡単です。

 複合パスとしたいパスを2つ以上選択した状態で、メニューバーから『オブジェクト>複合パス>作成』とするだけです。

 複合パスの作成を頻繁にする場合はショートカットを覚えるとよろしいでしょう(ショートカットの場合、テンキーは使えません)

 そして複合パスの便利なところは、いつでも任意に解除できると言う事です。ですのでいつでも元のパスを編集しなおす事もでき、汎用的な技法です。

 複合パスを解除するには、作成と同様にメニューバーからも解除可能ですが、私はレイヤーパレットで複合パス上で右クリックして解除する事が多いです。ショートカットもありますので、使い易い方法を探してみて下さい。

 複合パスの作り方は非常に簡単です。そしてイラストレーションを描く内に複合パスが必要になるケースが多いでしょう。
 基本的な説明は実は以上で終わりではありますが、2点、複合パスで知っておくと便利な事をご紹介します。

画像
説明
1『複合パスを直接編集できる』

 複合パスは前述の通り、いつでも解除する事が出来るため、複合パスに使っているパスを修正したい場合は一旦解除すれば問題ありませんが、実は複合パスを解除しなくても直接編集する事ができます。
 簡単な修正の場合は『パス選択ツール(白矢印)』で編集出来ます。

 左下、下の画像のように、多少複雑な編集の場合は一旦解除してから複合パスを作成し直す方が早いですが、直接編集出来る事は是非覚えておきたい事の一つです。

2『複数のパスを同時に複合パスに出来る』

 複合パス作成時に、複数のパスを選択する事で、1つの複合パスにまとめることが可能です。

 左図の通り、緑の正方形と、いくつかの白のパスを同時に選択した状態で複合パスを作成すると…。

 左図のとおり、1つの複合パスとなります(レイヤーパレットには複合パスは1つだけ出来ています)

 これはこれはいろいろ面白い飾りが可能になるので覚えておくといいと思います。

 また、複合パスは、パスの重なりの数によって『くり抜くか?塗りつぶすか?』が決まりますので、パス同士の重なりもいろいろ試すとよいでしょう。

 今回はサンプル等はありませんが、複合パスについては、これで終わりです。とても簡単な手法でありますが、強力な手法ですので、是非実践して欲しいと思います。

 冒頭でもお話しましたが、複合パスはパスファインダ、パスのアウトラインといった他の手法と関係が深いため、Illustratorのステップアップには必須の手法です。単純な図形から初めて、いろいろなパスを用いて複合パスを作って行くといいでしょう。既に『パスファインダの合成』等を使える方は、自分のイラストのシルエットを作って複合パスの素にするのも面白いので試してみて下さい。

 そしてこれから、複合パスに関係の深い、そしてイラスト作成に非常に強力な『パスファインダ』等をご説明したいと思います。