ペンツール/ペンツール第1回 〜直線を描く、曲線を描く

 さて、今回はペーンツールの第1回目の解説です。

 ペンツールはおそらくイラストレーターの一番の肝であるツール、逆に言えば、イラストレーターを使おうとする上で一番障害になるツールでしょう。私たちが日常生活で紙に線を引く時は、引いた軌跡が線として残りますが、イラストレーターではベジエ曲線といって、『ポイントとハンドル』で線を打ち出す方法をとっています。針金細工のような感じで、角度と曲線のなだらかさを、ドラッグだけで決めて行く線の引き方です。
 説明するにはちょっと難しいですし、イラストレーターの解説本に嫌と言う程説明が描いていますので、ココではそれを省き、キャラクターを描く上で必要な操作にしぼって解説したいと思います。

 まずはペンツールを選びましょう。ツールパレットの大分上の方にあります。ちなみにサンプルファイルもダウンロードされておくとよろしいでしょう。

 →サンプルファイル(LZH圧縮、aiファイル、500KB程度)

ペンツール
 とても重要なツールです。毎度どこにあるのか探さない様に、場所を覚えておくといいでしょう。また、キーボードの『P』を押す事で、瞬時にツールをペンにすることができます

 まずは、直線と曲線の描画の方法の違いです。

ペンツールでの描画、直線と曲線
直線を引く場合
 線をつなぐ様に、ペンツールでクリックをして行きます。これだけで直線がどこまでも連続してひけます。

曲線を引く場合
 曲線を引く場合はクリックではなくドラッグで線を引きます。図の矢印の箇所で、矢印の長さの通りにドラッグをしていくと、図の様な曲線を引く事ができます。ドラッグが長くなれば長くなる程大きな緩やかな曲線になります。ただ、ドラッグする長さは、ポイント(ドラッグを始めた位置)とポイントの間の距離の1/3程がいいと言われています。これはベジエ曲線の計算方法による物ですが、必ずしもというわけではありません。しかし、少なくともポイント間の1/2以上にドラッグをすると線が破たんする事が多いです。これは経験で掴めると思います。もちろん髪の毛を描く時等、極端な曲線を引く場合等は非常に長くドラッグする事があります。しかし、ポイント間の距離を超えてドラッグする事は殆どありません。

 上記では直線と曲線の引き方を説明しましたが、もちろん一筆の中で曲線と直線を同時に使う事もできます。
 また、単純な曲線以外、ポイントが変極点や頂点となるような引き方も可能ですが、それは次回のペンツール第2回の説明に譲ります。

 ところで、ペンツールで線を引く(これをパスを引く、パスを描くと言います。以後パスを描く等と表記します)場合、クローズパスとオープンパスと言う区別があります。クローズパスは『線が閉じている、開始位置と終了位置が一致している』パスの事で、オープンパスは『線が開いている、開始位置と終了位置が一致していない』パスの事です。
 それぞれの意味はとても簡単ですが、クローズパスを描く場合は知らないと分からない事が一つあります。ペンツールの状態を見て下さい。
 ちなみに矩形ツールなどで描いた矩形、円等はクローズパスになっています。扇形ツールは最初はオープンパスの状態です。

ペンツールの状態/ポインタ
 描きはじめる場合はマウスのポインタが左の×ペンの状態です。

 描いている途中で、描きはじめのポイントにマウスポインタを近付けると、右側の○ペンの状態に変わります。○ペンの状態でクリック、またはドラッグをする事でクローズパスの完成になります。

 実際の流れとしては下図のようになります。

ペンツールでのクローズパスの描き方
 ×ペンから始まり、クローズパスにしたい場合は最後○ペンで終わる事になります。
 逆にオープンパスで終わりたい場合は、○ペンで閉じる前に、選択ツール等で全く関係ない場所をクリックしましょう。するとペンでの描画が終了したということで、オープンのままで残ります。

 それでは、曲線のクローズパスを一つ描いて、下のイラストのキャラの顔をかいてみましょう。

ペンツールで顔を描く/完成図
 今回は顔だけをかいてみます。髪の毛等のジャギーは今回の説明だけでは描けませんので次回のペンツール第2回の説明に譲ります。

 まずはサンプルファイルをダウンロードして、解凍、ファイルを開いたら、レイヤーパレットから顔を描くレイヤーを選択してください。

レイヤーの選択
 ロックされていない(鍵のアイコンがついていない)レイヤーを選択して下さい。『ココに描いて!』というレイヤーの名前に色が付いたら、レイヤーを選択しているという状態です。

ペンツールで顔を描く/描画開始
 ペンツールに持ち替えて、いよいよ描画スタートです。
 サンプルファイルの中には、顔以外は表示されていて、の顔の輪郭がガイドとして残っています。この状態で顔を描いて行きましょう。また、どの方向にどれだけドラッグすればいいか?というガイドの矢印も描いてあります。これを参考に、トレースしていきましょう。

 描画開始位置は向かって右上のおでこの位置からです。ここからドラッグをスタートしていきましょう。その前に、スポイトツールで腕の肌色をクリックしてからがよいでしょう。

ペンツール描画開始
ペンツール描画中
 白の四角の位置がドラッグ開始の『ポイント』です。ピンクの丸と、その丸とポイントをつないでる線を合わせて『ハンドル』といいます。

 矢印に平行になるように、矢印の長さの分だけドラッグしましょう。ドラッグは『長さと方向』が非常に大事です。

 矢印に沿ってドラッグをしていき、耳の近くまで来ている状態です。多少はみ出しても、練習ですので気にせず一気に進みましょう。
 それでも余りにも外れた時には、アンドゥで1手戻りましょう。アンドゥはフォトショップでも他のアプリケーションでも共通ですが、Macなら『コマンド+z』、Windowsなら『Ctrl+z』です。絶対に使うコマンドなので、今回で覚えておきましょう。

選択を解除する
不要なレイヤーを隠す
 最後、○ペン状態でクローズパスにしたら、Macなら『コマンドキー』、Windowsなら『Ctrlキー』を押しながら、全く関係ない、何も図形が描いていないところをクリックしましょう。コマンドキー等を押している間は選択ツールになり、選択ツールで何もないところをクリックする事で、今描いている図形の選択を解除する事ができます。つまり、ペンでの描画を完了する事になり、ピンクのポイントやハンドルが見えなくなります。  後は、緑色のガイドは不要なので、図の○の部分、目のアイコンをクリックします。目のアイコンがあるレイヤーは画面で見えて、目のアイコンがないレイヤーは見えなくなります。

 この状態で完成です。

 以上、曲線でクローズパスを書き上げました。キャラクターを実際に描いてみましたがどうだったでしょうか?使い勝手がまだなじまないという事、細かい調整や修正の方法をまだ教えてないと言う事もあり、なかなか思う様に行かなかったかもしれませんが、実際はこの低度で大分イラストは描けてしまいます。私もまだまだですが、トレースの練習はした方がいいと思います。どんどん自分のイラストを作ってみたり、いろんな画像を下絵にトレースするといいでしょう。

 それでは次回、ペンツール第2回では髪の毛等の単純でない曲線の書き方を解説したいと思います。次回もまた、実践的なサンプルファイルを準備できればと思います。